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RT-60 ・残響時間自動測定
RT(Reverberation Time)は残響時間とスペクトラルの解析を提供する機能です。「Reverberation」はバースト後の信号のエネルギー減衰を意味し、その値は「RT-60」といわれ、エネルギーが「60dB」減衰するまでの時間で表されます。
RT-60自動測定オプションは測定信号を出力するためのピンクノイズ・ジェネレータ機能を含んでいます。
テストの間、オペレータの操作は全く不要です。コンピュータはオーディオバンドのディケイカーブを生成するためにすべてのステップを実行します。まず環境を飽和状態にするのに十分な時間ノイズソースを放出します(均衡に部屋中に充満するように)。そして音が停止され、信号の減衰を捕らえて残響特性が詳細に分析されます。
リバーブ信号が分析されるとグラフが表示され、そしてデータを印刷、ディスク保存をすることができます。グラフを右クリックすると、他のアプリケーションで使用するためにクリップボードにデータイメージをコピーするオプションメニューがポップアップします。
残響グラフ
- Reverb Times - 「残響時間vs周波数」を示すバーグラフです。80Hz〜20kHzを1/3 Oct.バンドで表示します。グラフ右端のバーはワイドバンドデータを示します。既定表示値は「RT-60」データですが、ツールバーのコントロールメニューで「RT-10, 20, 30, 40, 50」を任意に選択することができます。グラフ上のバーをダブルクリックすると、そのポジションのバンド周波数減衰特性を表示します。
- Reverb Decay - 選択周波数バンドの「減衰レベル vs 時間」を示すグラフです。周波数の選択、グラフ横軸の時間レンジの変更はツールバーのコントロールメニューで行います。これにより例えば、特定の時間を見るために画像を徐々にズームすることができます。
- 3-D Surface - 減衰カーブを三次元グラフで表示しますので、全周波数バンドの減衰特性を一望することができます。グラフ上の任意のポジションをダブルクリックすると、その周波数バンドの減衰特性を表示します。グラフ横軸の時間レンジの変更はツールバーのコントロールメニューで行います。
オプション
オプションダイアログはグラフ右の[Option]ボタンをクリックすると現れます。いくつかのオプションとグラフ表示配色を設定することができます:
- Plot Top - Reverb Decayと3-D Surfaceグラフのアンプリチュード軸の最大値を設定します。
- Plot Range - Reverb Decayと3-D Surfaceグラフのアンプリチュード軸のレンジ幅を設定します。
- Maximum Decay Time - 測定時間長を設定します。この値を必要以上に長くとるとディスク消費サイズも大きくなりますし問題が生じますが、推定残響時間よりも長く設定することが肝要です。既定値は4秒です。
- Extrapolation Method - 現実的な測定環境では、バースト信号レベルと暗騒音レベルの比を60dB以上確保するのは困難ですから、このオプションで「RT-10, 20, 30」を設定します。設定を変更するとデータを再処理し表示を書き換えます。
- Smoothing Method - 残響エネルギーの実体は非常に複雑です。その結果不規則性を呈しますが、より適切な評価を行うための技術がスムーシングテクニックです。「None」は機能をオフします。「Average」は100msecムービングアベレージ値を表示します。「Schroeder」はリバースインテグレーションを行います。既定値は「Average」です。設定を変更するとデータを再処理し表示を書き換えます。